「ピーターの法則」と「パーキンソンの法則」to

「ピーターの法則」と「コミュニケーション能力」



ピーターの法則は、「人々は階層社会のなかで、昇進していくうちに、いつか無能レベルに到達する傾向がある」という簡単なものです。著者のローレンス・ピーターはカナダ生まれの教育学者で、本書は風刺のつもりで書いたと記しています。



この法則は、すべての組織・ほぼ全ての企業にあてはまるということです。
そして、このような無能レベルまで昇進を続ける結果、安定した組織は時間がたつと、
そのレベルでは無能なものの集合体に近づいていきます。
有能であればどんどん出世（自力、他力で）するけれども、上に行けば行くほど多種の優れた能力が求められるので、
彼が『その地位にふさわしい資質を保持していない＝不適合の地位』にまで行くと彼の昇進はストップする。

例えば営業担当者として有能であるものは、営業マネージャ（課長とか）に昇進し、
マネージャとして有能であれば部長とか支店長に昇進しというふうに出世していきます。
そして、いつかの段階で、部長としては（あるいは支店長としては）無能であるとか、
事業部長としては無能であるとかいうレベル（段階）に行き着いて、そのレベル（段階）でその人は昇進がとまります。
そして気づいてみると、いつしか営業部門はそれぞれの段階で出世がとまった人が多くを占める集団と化し、
往年の輝きを失っているというわけです。


このピーターの法則は、マーフィーの法則とパーキンソンの法則と並ぶ3大ユーモア法則です

▽マーフィーの法則（間違う可能性のあることは、間違っても仕方がない）
▽パーキンソンの法則（仕事は完成のために許容された時間のある限り膨張する）『ひまつぶしは一番忙しい仕事である』
『役人の数は仕事の量に関係なく一定の割合で増えていく』）


どれもユーモアにつつまれていますが、実は深刻な問題を背景にしております

マーフィーの法則は製品設計や現場におけるバカよけ（フールプルーフ）やフェイルセーフといった真面目な対策に繋がっているし
パーキンソンの法則も仕事の効率化として真面目な取り組みが要求されるものです。

※フールプルーフ
「誰がやっても簡単な」とか「誰がやっても安全だ」というような意味
（例：車のギアがパーキングに入ってないとエンジンが始動しない）
※フェイルセーフ
故障や操作ミス、設計上の不具合などの障害が発生することをあらかじめ想定し被害を最小にする工夫、
（例：石油ストーブは、転倒すると自動的に消火するよう設計している）


そして三つ目のピーターの法則を活用するには何に取り組めば良いのか
これを打破する方法はもちろん階層を無くすことなんですが、著者ピーターがすすめているのが「創造的無能のすすめ」というわけです。

（昇進の圧力が掛からないくらいにちょっとだけ）変わった人間でいることによって会社内の「階層」という魔物から逃れよう、ということで、例として挙げられるのはノーベル化学賞の田中さんです。この方が、望んで主任に留まっていた話は有名です。



自分は何によって社会で活かされるべき人材なのか、自分なりに信ずるものがあれば、勇気を持って「創造的無能」宣言が出来るはず･･･ということでしょうか。



でも自分の限界がどこにあるのか、やってみないと分からないこともありますから、「今が一番幸せ！」的な現状維持よりも、一度昇進（挑戦）した後で「降りる」勇気を持つことの方が大事だと思います。





▽しかしここで疑問も湧いてきます、無能階級に上った人々のｺﾐｭﾆｹｰｼｮﾝ能力は？



ピーターの法則の基にある考え方は、優れた技術能力を持つ人々は特に特別な訓練を受けなくても優れた｢人間関係の技能｣を持っていると往々にして思われがちだということです。



創造的無能者の生き方で昇進しなかった人は　無能な上司の下でフラストレーションは溜まらないのか？



3階層も4階層も上にあがれる可能性のある有能な部下は、いったいどれだけの時間とエネルギーを使えば階層を上げる事が出来るのか



無能となる階層に上った人々もこの人間関係の技能を磨き、さらに階層を上げる事も可能となる場合もあるのでは無いでしょうか




世界No1のｾｰﾙｽｺﾝｻﾙﾀﾝﾄで、全米「ﾅｼｮﾅﾙ・ｽﾋﾟｰｶｰ・ｱｿｼｴｲﾂ」のﾄｯﾌﾟ5の講演家である「ブライアン・トレーシー氏」も言っています。

「ビジネスの成功とは・・・１０％の専門知識と９０％のコミュニケーション能力である」と。




あなたの今の階層は？【モチベーションとヘルシーコーヒー】